夏になると、よくきゅうりの浅漬けをつくる。
自分でつくったものもおいしいけれど、
一番好きなのは、おばあちゃんがつくってくれた浅漬けだ。
おばあちゃんは、岩手県の海沿いの町に住んでいた。
お盆と正月におばあちゃんとおじいちゃんに会いに行くのが、
私の子どものころの楽しみだった。
とくに楽しみだったのが、おばあちゃんがつくってくれる料理だ。
海沿いの町ということもあり、毎朝市場で買った魚を主菜とし、
煮物やあえ物の副菜がついた典型的な和食が並ぶ。
そして、いつも食卓にあったのが、きゅうりの浅漬けだった。
米にもおかずにも合うし、箸休めにもぴったり。
あまりにおいしいので家でもつくろうと思い、おばあちゃんにつくりかたを聞いたことがある。
返ってきた答えは、「きゅうりを適当に塩を振って一晩漬ける」
それだけだった。
塩の量は目分量だし、塩へのこだわりもない。
白だしや塩昆布も入れない、シンプルなものだった。
今日も自分でつくった浅漬けを食べた。
やっぱりおばあちゃんの味にはかなわない。
