子どもの吃音を治すために親がすべきこと

「あ、あ、あ、あのね」「ぼーーーくは」のように子どもがどもっていると、親としては不安に感じてしまいますよね。何とか治してあげたいと思うことでしょう。

しかし、吃音を治す絶対的な方法はありません。言語聴覚士に相談しても、病院に行っても、トレーニング教材を購入しても治るとは限らないのです。それなら、子どもの吃音を放っておけばいいのかというと、そういうわけでもありません。大切なのは、親が吃音について勉強し、理解したうえで、子供と向き合うことです。吃音の治療法は確立されていないものの、吃音の軽減に効果があることないことについてはわかってきています。吃音に効くとされていることをどんどん試してみて、お子さんに合う方法を見つけることが、克服への一歩です。



まずやってみることは、たったの2つ

親がゆっくり話す

吃音を軽減させる代表的な方法が、“ゆっくり話す”ことです。ただし、子どもに「ゆっくり話してね」と言ったところで、あまり効果は期待できません。子どもはそんなことすぐに忘れてしまいます。では、子どもがゆっくり話すようにするにはどうすればいいか? それは、親がゆっくり話せばいいのです。子どもは親の話し方を真似して、話し方を習得していきます。ですから、親がゆっくり話すと、そのうち子どもが話すスピードもゆったりになります。

どのくらいゆっくり話せばいいのかというと、戦場カメラマンの渡部陽一さんくらいです。一つ一つの音を明瞭に発音することを心がけると、自然とゆっくりした話し方になります。

これでも改善が見られないときは、「おーはーよーうー」のように、伸ばし気味に発音してみてください。やや不自然ではありますが、吃音の頻度は減るはずです。吃音が軽快しているようなら、だんだん伸ばす長さを短くしていきます。

ゆっくり話したほうがいいからと、常にゆっくり話す必要はありません。叱るときなどは、普段のスピードで話していいですからね!

子どもの話をしっかり聴く時間を確保する

1日に5分でも、3分でもいいので、1対1で子どもの話を聴く時間をつくってあげてください。子どもの目を見て、時には相づちを打ちながら最後まで聴いてあげましょう。途中で子どもがどもっても、遮ったり、言葉の先取りはせず、聴くことに徹してください。きょうだいが多かったり、赤ちゃんがいるご家庭でも、必ず時間を確保しましょう。親が話を聴いてくれることは、子どもの心に安心と安定をもたらします。不安や落ち込みは、吃音の敵です。心の状態は吃音を左右するので、子どもの心が落ち着くようできることからはじめましょう。

子どもが話しかけてきたとときにどうしても聴いてあげられないことがあると思います。そんなとき、「あとでね」と言ったら、必ずあとで話を聴いてあげましょう。「あとで」「あとで」と言い続けてずっと先延ばしにするのはダメですよ。

まずは、この2つからやってみてください。



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