わたしは子どものころに「落語」にふれた記憶がほとんどありません。
でも、わたしの子どもたちは、Eテレの「にほんごであそぼ」や「てれび絵本」などを通して、落語を見聞きする機会があります。
さらには、落語の絵本を読むこともあります。
はじめての落語には「じゅげむ」
落語の絵本を読むようになったきっかけは、一姫と二太郎が「にほんごであそぼ」を観て「じゅげむ」の暗唱にハマったときに、「じゅげむってどういう意味?」と聞いてきたからです。
読んだ絵本はこちら。
落語絵本 四『じゅげむ』
川端誠
クレヨンハウス
はじめての落語絵本でしたが、
文章がリズミカルで読みやすく
暗唱した「じゅげむ」の言葉ひとつひとつに深い意味があるとわかり、おもしろかったみたいです。
何度も「読んで」とせがまれ、何度も読みました。
読んでいるうちに、わたしも「じゅげむ」を覚えてしまったくらいです。
アマゾンのレビューでは、低評価もちらほらある本作ですが、
わが家では好評でした。
はじめて落語にふれるお子さまには、とてもいいと思います。
オチが秀逸「まんじゅうこわい」
さてさて、『じゅげむ』がとてもおもしろかったので、
もっと落語の本を読むことにしました。
2作目に選んだのは、『まんじゅうこわい』です。
落語絵本 二『まんじゅうこわい』
川端誠
クレヨンハウス
落語初心者ですので、食べ物の話なら聞いてくれるのではないかという理由で、わたしが選びました。
あらすじはというと、
若い者が集まって、自分の怖いものを言い合うことになりました。
へび、こうもり、くも、けむしなどが挙がる中、
松つぁんが言ったのは、なんと「まんじゅう」。
それを聞いたほかの若い者たちは、松つぁんを怖がらせようとたくさんのまんじゅうを用意したのです。
さて、松つぁんの反応は?
というお話です。
「なんでまんじゅうがこわいの?」
「まんじゅうがこわいなんておかしいよね」
と、ブツブツ言いながら
最後まで話を聞いていた一姫と二太郎。
オチを聞いて、大笑い。
いよいよ落語のおもしろさに目覚めたようです。
「めぐろのさんま」は少し難しい
さらには、『めぐろのさんま』も読みました。
いちおう最後まで読んだのですが、子どもたちの反応は「・・・」でした。
決して話がつまらなかったわけではありません。
ではなぜビミョーな反応だったかというと、あの「オチ」の意味が分からなかったのです。
「めぐろのさんま」を理解するには、江戸時代の身分、制度、生活への理解が必要になってきます。
幼児や小学校低学年で、江戸時代のことを知っている子はほとんどいないのではないでしょうか。
「目黒ってどこ?」
「下魚って何?」
「どうして毒見するの?」
などなど、子どもから噴き出してくる質問の嵐にひとつひとつ答えたところで、
やっと、「なるほどねー」と理解できたようです。
難しいけれども、勉強になる絵本でした。
小学校高学年くらいのほうが楽しめるかもしれません。
落語絵本を読む理由
子どもたちと落語絵本を読む理由は3つあります。
①教養として落語に親しめる
②現代とは違う時代のお話にふれられる
③オチというものを知ることができる
特に、③です。
話にオチがあると、おもしろくなるし、グッとしまるぞ!!
というのを感じてほしかったのです。
川端誠さんの落語絵本シリーズは、何作もあります。
独特の言い回しとリズミカルな文章を読むと、噺家になった気分になります。
ほかの絵本とは明らかにテイストが違うので、子どもたちも新鮮なようです。
さらに、人物の表情や動きにこだわり、細部までしっかり描き込まれたイラストも魅力的。
一度見たら忘れられないくらいインパクトのある画風です。
落語絵本シリーズは、2016年11月時点で15冊ありますが、私たちはまだ全部読んでいません。
もっともっと読むつもりです。
ちなみに、先日Eテレの「おはなしのくにクラシック」で、柳家花緑さんが「じゅげむ」を実演していて、二太郎が聞き入っていました。
餅は餅屋。
素人の私が絵本を読むよりも、テンポがいいし、演じ分けもうまい。
二太郎が噺家の実演を見るのは、これが初めてだったのですが、すっかり気に入ったみたいです。
Eテレさんには、子どもや落語初心者向けの実演を、ぜひシリーズ化していただきたいものです。